【完】嘘から始まる初恋ウェディング

父と白鳥さんが顔を見合わせて、笑う。その間にご飯を食べ終えたジュリエットが割って入ってきて、白鳥さんの膝の上にタッチをして喜びを体いっぱい表現している。

どうやら、ジュリエットも白鳥さんがお気に入りらしいわ…。分かるわ、素敵な人だもの…。

けれども、ロミオだけは私の膝の上をずっと陣取って、不機嫌そうに尻尾を垂らして白鳥さんをジッと見つめる。

耳を横にピンと張って、垂れ下がった尻尾をブンブンと早く動かしている。

「ジュリエット、白鳥くんが困ってるじゃないか。」

「いえいえ、僕は犬が好きですから、大丈夫です。社長。
あ、アハハ、ほんっとうに大きくて可愛いなあ~ッ。
ところで、ルナさんの膝の上に座っている猫ちゃんは…」

ちらりと白鳥さんの視線がロミオに向く。すると小さな体を大きく膨らませて「シャーッ」と口を広げて怒り、「ウーッ」と小さな唸り声を上げた。

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