【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「も、申し訳ありません…!こら、ロミオッ!」
少しだけ大きな声を出してロミオを叱ると、こちらを見上げて軽々とフローリングの床へとジャンプした。
リビングに置いてあるソファーの後ろへ隠れると、明らかに白鳥さんに向かい「ウーッウーッ」と威嚇する。
…珍しいわ。ロミオがここまで他人に威嚇するなんて。どちらかといえば、人には懐かない猫だけど、ここまで攻撃的なのは初めてかもしれない。
「翔さん、ごめんなさいねぇ。 ロミオは、ルナにべったりなの。
私達の方にもあんまり懐かない猫で……。
でも珍しいわね、ルナ。 こんなにロミオが怒るなんて…」
「ええ…、もしかして機嫌が悪いのかもしれないわね。白鳥さん本当にごめんなさい…」
「いえ、お気になさらずに。僕は犬も猫も動物はなんでも好きだけど、どうやらロミオには嫌われちゃったみたいだなあ…。
それにしてもジュリエットも立派な犬ですが、ロミオも珍しい猫ちゃんですね」
「えぇ、ロミオはジュリエッタという種類なんです。」
「じゅ、ジュリエッタ…?」