【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「もぉ、あたし、シャワー入って来るからあ~ちょっと待っててよ。」
「お、おう…」
ベッドに座り込み、ズーンと肩を落とす。
一体俺は何を考えている。 さっきからずっとルナの事ばかり。
せっかく目の前に一級品の上等な女がいるっていうのに…何故あいつの事ばかり頭に浮かんでくるんだ。
あの綺麗な体も、声を抑えて恥ずかしがっているさまも、俺を愛しいものでも見つめるような真っ直ぐで強い眼差しも――。
どうかしている。 そう思った瞬間、ベッドサイドに置いてあった携帯がけたたましく鳴る。
もしやルナか?!何かあったか?!慌てて携帯を手に取ると、着信は実悠からだった。
「もしもし、何だよ今大事な所だ。 は?はぁーーーー?!」
実悠の電話に、頭がクラクラしてその場で倒れそうになった。
シャワーから上がった女はバスタオルを体にくるりと巻き付け、大きな胸の谷間を惜しげもなく見せつける。
そしてベッドにいる俺を押し倒そうとした。 い、今から俺はこの女を抱くんだ。 こっちだって溜まっているんだ。 大体ルナとは未遂に終わってしまったし、今日は休日だ。自分の好きな事をして何が悪い。