【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「え~でも待ち合わせじゃないんでしょう?」
「俺達と遊ぼうよ~。一緒に飲みに行こう~」
「てゆーか人探しなら手伝うしさぁ」

やめてくださいと言っているのに、男達は無理やりルナの腕を掴もうとした。
カツカツと足音を鳴らして、三人の男の後ろに立つ。

ブちぎれそうだった。 ルナの腕を掴もうとした男の手首を掴みそれを捻ると「ぎゃ!」と悲鳴を上げた。

「白鳥さん…!」

「何だよ、お前…!痛ぇ…!」

「誰の許可をもってその女に話を掛けている」

掴んだ手首に力を入れて、持ち上げると情けない悲鳴が街に響き渡った。 後ろから殴ってこようとした男達をひょいっと交わしたら、その場に勝手にすッ転んだ。

クソガキ共が。
親父に昔から格闘技という格闘技は叩きこまれている。

こちらから攻撃はしなくとも、身を交わす術は知っている。

身辺警護は、こちらからは攻撃を仕掛けたりはしない。 あくまでも、守るのみだ。 護るべき対象が危険に晒されぬように、盾になる。

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