【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「ああ…!もう泣くな!うぜぇな!」

「ご、ご、ごめんなさい…」

「何で歌舞伎町になんかいるんだよ…」

「だって…実悠さんに白鳥さんはどこにいるかって訊ねたら、歌舞伎町にでもいるんじゃないの?って言ってらしたので…」

実悠め…また適当な事を言いやがって。
俺がいなかったら一体どうするつもりだったんだ。

「阿久津北斗はどうした?あいつと飯食いに行ったんじゃないのか?」

「…白鳥さんがどうしてそれを?」

「いや、まあ…色々とな。 で、あいつはどこにいるんだよ…」

「違うんです…。思ったよりも早く企画書が仕上がってしまったので、実悠さんの美容室に行こうと思って…
ほっくんにもきちんと婚約の話をお断りしようと思い、お食事に行ったんです…。
お食事に行って、結婚の話はお断りして直ぐにレストランから出たんです。 …どうしても白鳥さんに会いたくって…実悠さんも言っていたから新宿に…」

計画性がなくって呆れる。 呆れすぎてため息が止まらない。
ルナはなおも大きな瞳に涙をいっぱいにためて、体を小刻みに震わす。

< 200 / 306 >

この作品をシェア

pagetop