【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「怒らないで…」
「怒っちゃいねぇよ。 大体何で電話も出ないし、ラインも返さないんだよ。
一体何の為に連絡先を交換したんだか…」
「携帯は充電が切れてしまって…」
どこまで馬鹿なんだ。 実悠の言葉を信じて、俺を探して新宿に来るなんて無謀すぎる。
あのままラブホテルに居て探しに来なかったら、どうなっていたか考えるだけで恐ろしいな…。
「取り合えず帰るぞ。 真子さんも心配してんだろ……」
「あ…、お母さんにはレナちゃんの家に泊まるって言ってあるんです。
そもそも今日はほっくんと食事をした後にレナちゃんが話があるって言っていたので…」
「……じゃあ、レナんちまで送ってく。」
そう言って歩き出すと、後ろから物凄い力で抱き着いてくる。 おい、何をしやがる。転びそうになったじゃねぇか。
ルナはまだ少しだけ震えていた。 俺の背中にぎゅっと顔を埋めて、顔を真っ赤に染める。 背中越し、ルナのドキドキと脈打つ心臓の音が聴こえる。
「もう少し、一緒にいたい…です。 今日は、白鳥さんと一緒にいたい。」
自分の言葉に責任を持つという事を、このお嬢様の頭の中に叩きこみたい。