【完】嘘から始まる初恋ウェディング

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思う事は色々とあった。
面倒ごとばかり起こして、余計な仕事を増やして

そもそも今日は女とラブホテルに行って、今頃は心も体もすっきりとしている予定のはずだった。

狂いに狂った休日。 真っ赤な顔をして、子犬のような目をして俺と一緒にいたいと泣きながらせがんだのは自分だ。 その責任くらいは取って欲しい。

「素敵…!まるでお城みたい…!
マッサージチェアがあるわ…! 外には露天風呂まで…
ベッドも大きくてふかふかだわ…!」

「いいからお前はレナに言い訳の電話をちゃんとしておけ。 俺の携帯を貸しておくから」

「分かっています…! ねぇ、素敵!白鳥さんお風呂が泡風呂になるみたいよ?一緒に入りましょう」

だから一体何をテーマパークのように喜んでいる。 とはいえ、こんな場所に連れ込む俺も最低だから、何も言えない。

ここは歌舞伎町のラブホテルである。 もういい加減我慢も限界だった。 最低だとは分かっているが、一緒にいたいと抱き着かれたら俺だって男として欲望を抑えられない。

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