【完】嘘から始まる初恋ウェディング
本当に、手を出していいものなのか。 こいつは一応依頼者の大切な娘だ。
それでも信用と引き換えにしても、今日この女を抱きたい。
きっとルナの事だ、この場所がどういった所か理解はしていまい。一緒にいたいというのも、その言葉通りただ側にいたいという意味だ。
もう、我慢も限界だ。 どれだけ最低だと罵られようと、目の前の汚れを知らない清純な女を一晩かけて、汚しに汚してやりたいとも思う。
レナに連絡をした後もルナは浮かれ切っていて、お風呂に入ってはしゃいでいた。 勿論一人で入らせた。
互いにお風呂から上がって、ソファーに座って煙草を吸っていると何故か自分の方が緊張してきた。
たかが女を抱くだけだ。そんな行為、何度もしてきた事なのに、何を童貞のように緊張してやがる。
そんな俺の想いも知らずに、バスローブ姿になっていたルナは横に座り、ぎゅっと胸を押し付けて腕を組んでくる。
どうしてすっぴんなのにそんな可愛らしい顔をしてやがる。 零れ落ちそうな大きな瞳に見つめられるたびに、罪悪感は募って行く。
今から俺は、お前に最低な事をしようとしている。 なのに何故そこまで信じ切った目でこちらを見つめられるんだ。