【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「大丈夫。…嬉しい」

涙を瞳にいっぱいにためながら、ルナは笑いながら言う。

「何が嬉しいんだか……」

「白鳥さんが、初めて私の名前を呼んでくれた。 それがすごく嬉しい……
だから全然痛くない。」

そんなに可愛い事ばかり言うな。全然我慢出来そうにない。 ゆっくりと腰を動かすと、ルナはぎゅっと俺の背中に抱き着いた。

「白鳥さ…あぁ…あ…あー…」

いつもビクビクしていて、すぐに泣いて、周りの顔色ばかり窺っているどこか自信のなさそうな憶病な女だと思っていた。


本当の臆病者はどっちだっただろうか。
お前を本気で好きになりそうで怖かった。
抱いたら、もっと好きになりそうで怯えていた。


そんなの、もうとっくに好きになってるじゃねぇか。 本当に馬鹿だ。
仕事ではなく、本気で守りたいと思った瞬間からとっくに恋に落ちていたんだ。

そんな事に今更気が付くなんて、ルナの事を言えない位俺は馬鹿だ。

この世で初めて守りたいと思った女は、俺とは別世界に生きているようなお嬢様だった。 全然強そうに見えないのに、実は俺よりずっと強くて大人な、女の子ではないきちんとした女性だったんだ。


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