【完】嘘から始まる初恋ウェディング

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ホテル内は窓が一切なかったから、昼か夜かも分からなかった。

けれど、露天風呂に出ると空は雲一つない秋晴れで、太陽な燦燦と頭上に降り注ぐような気持ちの良い風が吹き抜けて行った。

箱根の温泉とは少し違ったけれど、ちょっとした旅行気分にウキウキする。

散々文句を言っていた白鳥さんだけど、自分の足の間に私の体を挟んで「まあ、外で風呂入るっつーのも悪くないな」と言っていた。


今更だけど、ドキドキしてしまう。
ホテル内は薄暗くって、昨日は少し大胆になっていて気が付いていなかったけれど

明るい場所で改めて互いに裸でいるのって、かなり恥ずかしい。 少し動くたびに、白鳥さんの吐息が体に落ちていくのがはっきりと分かった。

「何だよ、急に大人しくなって」

「いえ、別に。 気持ち良いですわね~…ちょっとした旅行気分です…」

「ラブホで旅行気分って全然ロマンチックな話じゃねぇけどな。」

「私にとって白鳥さんが側に居てくれたら、そこはどこでも最高の居場所ですわ って、きゃあ!」

後ろから、白鳥さんの手が私の胸を包み込むように動く。 変な気持ちになってしまう。

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