【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「何感じてんだよ。 少し手が当たっただけだろう?」
「感じてなんか…ひゃあ…!」
ちらりと後ろに居る白鳥さんを見ると、ニヤニヤと笑って意地悪な顔をしている。 その間もずっとその指は私の胸の中で器用に動いている。
水音に混じって、何ともはしたない音が響いていく。
膝の上くるりと私の体を自分の方に向けると、すぐさま白鳥さんの唇が胸へと落ちる。
ビクッと体が敏感に反応する。触られている所、唇を押し当てられた場所、全てが熱い。 お湯の熱さだけではない、体中が痺れるような甘い目眩が頭をめぐる。
「あー……またやりたくなってくる…。 お前が誘うからだぞ?」
「しらとりさ…ふぁ…」
「お前って童顔なのにすっげーえろい体してるよな…」
「そういう事…言わないで…くださ…んッ…」
ぴちゃりと水音に混じっていやらしい音が響く。 目が合うと白鳥さんは少しだけ切ない表情をこちらへ向けて、貪るように唇を何度も重ね、深く落としていく。
幸せなの。 でもこの幸せをどう言葉で表現していいか分からないから、ぎゅっと白鳥さんにしがみついたまま、耳元で「好き…」と何度も繰り返す。
けれども暫くして私の体を触っていた両手は上へと上げられた。