【完】嘘から始まる初恋ウェディング
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夢みたいな週末を過ごしてから、白鳥さんに出会って三週間目。
「いいね。企画書もよく練り込まれている。 今度の商品は桜栄さんの企画で行こう。」
その週の企画会議で、正式に私の商品が通った。
飛び跳ねるくらい嬉しかった。
まさか私のような人間のずっと夢としか思っていない構想が商品化になるとは。
だからこそ浮かれすぎていて、自分が’チート’をして、’イージーモード’の人生を送っていたのをすっかりと忘れてしまっていたんだ。
「レナさんはどう思うんですか?」
オフィス内。頼まれていたアンケートをまとめてふっとひと段落した時、給湯室の前で足を止める。
中からは姉と、女子社員数名の声が聴こえた。
「どう思うって?」
「ルナさんの企画の事ですよぉ~…私はレナさんの方が良いと思ったけどなあ」
「あ、私もですッ。レナさんの商品の方が惹かれたしぃ~。
ルナさんってプレゼンが下手なんですよねぇ。いまいち言いたい事が伝わらないっていうか」