【完】嘘から始まる初恋ウェディング
足元が石の様にぴたりと止まり、動かなくなってしまった。 私の事を世界中の全員が良く思っているなんて、勘違いはしていないつもり。
それでもこうやって自分の評価を他者から聞くと、胸が苦しくなる。
もっとショックを受けたのは、姉であるレナちゃんがその言葉に同調した事だった。
「そうねぇ。 ルナはちょっと抜けている所があるから心配でもある。
あの子、本当に世間知らずだから…。
途中で出来ない~ってなっても、フォローするのはこっちなのにね」
思わず壁の死角になる場所に隠れてしまった。 けれどもそこから動けずにいた。
ばくんばくんとあり得ない程の心臓の音が、持っていたアンケート用紙の紙越しに響く。
「レナさんは優しすぎますよぉ…。 妹だからっていっつもルナさんのフォローに回って」
「ルナさんが羨ましいなあ、こんなお姉ちゃんがいて。 でも逆に私がレナさんの立場でルナさんが妹だったらすっごく苛々しちゃうかも
レナさん心広いから~~」
「あはは~…そんな事ないよ。
でもルナに苛々しちゃうっていう気持ちは少し分かるかな」