【完】嘘から始まる初恋ウェディング
それは……白鳥さんと私が一緒に暮らすという事?突然の父の提案に言葉を失ってしまった…。
白鳥さんは苦笑いをして「ご家族の方にご迷惑になると、社長にはお断りをしたのですが…」と頭を掻きながら言う。
「どうだろうか…?真子さん、ルナ…」
少しだけ困った顔をして、父が私と母に問う。 母は少し考えた後「いいんじゃないかしら」と明るい笑顔で言った。
「私は、嬉しいわ。 こうやって大人数で食事を囲むのも楽しいですし、レナが居なくなって寂しかったんですもの。
それに翔さんはどうやら竜馬さんの信頼を得ている方だと思うから、安心出来るもの。
ねぇ?ルナ?」
母の問いかけにこくこくと頭を縦に振る。
勿論私だって嬉しいわ…!
白鳥さんの事は余り知らないけれど、父の信頼を得ているという事は怪しい人ではないはず。
何よりもこんな素敵な白鳥さんと一ヵ月同じ屋根の下で暮らせるなんて、夢みたい…!
ハッハッと息を荒くして、ジュリエットはまるで歓迎するように白鳥さんの顔を舐めまわす。 …どうやら皆大歓迎のようよ。 と思った瞬間、ソファーの後ろに隠れて私達の話を聞いていたロミオが騒ぎ出した。