【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「分かる、分かる。あれでしょう?今回の企画も白鳥さんがこっそり手伝っているって。
二人が遅くまで社内に残ってるの見た人がいるって~」
「えぇ~、白鳥さんって彼女狙いなの?ショックなんだけど。 仕事もすごく出来るし明るくってその場の空気も変えてくれるからいいなぁ~って思ってたんだけど」
「あはは~…魔性の女には敵わないって。 あの子、他の部署の男性社員にもすっごく人気だもんね」
「顔と家柄だけでチートだしね」
「ね。イージーモードな人生羨ま~」
足を一歩前へ踏み出した瞬間、涙がぽろりと零れ落ちた。
それと同時に給湯室から、大好きな声が響いたんだ。
「でも、桜栄さん頑張ってると思うけどね」
「きゃッ…。白鳥さん!」
その声で再び足は止まる。
「僕は桜栄さんの企画は素直に良いと思うよ。毎日努力もしてて、努力って誰にでも出来る事じゃないと思うし凄いって思うよ。
てゆ~か、桜栄さん狙いとか勘弁してよ~。そういう噂立てられてるの? まさか、恐れ多いって。
たまたま社長に仕事を頼まれてて残業してた時彼女が居たから。
何がなくとも大袈裟に噂立てられちゃって参るなあ~…」