【完】嘘から始まる初恋ウェディング
♡6♡ *SIDE翔* 好きを自覚する時。
♡6♡ *SIDE翔* 好きを自覚する時。
「ルナが北斗くんとの結婚を嫌だと私に言ったんだ…。
結婚はやめろと怪文書も届くし…」
「はぁ……」
現在社長室に呼ばれ、ルナの父の愚痴に付き合っている。 こうなってしまえば、威厳なんてない。オロオロとして、どこかソワソワと落ち着かない男が何かを目論んでいる。
「阿久津フーズファクトリーとは上手くやっていきたいと思っていた。
結婚の話は北斗くんから持ってきたんだ。
ルナはレナとは違ってキャリアウーマンとして生きるには頼りなさ過ぎるし、良い機会だとは思ったのだが…」
どいつもこいつも…。ルナの人生を何だと思ってやがる。 あいつは周りが思っているよりずっと大人だ。
自分で選択して、自分の人生を決める力がある。 ルナを過保護にするこの父親や姉には少しだけ反吐が出そうになる。
「ですが、社長。ルナさんももう大人です」
その言葉に社長は目を細めてキッとこちらを睨みつけた。 そういう所はレナそっくりなんだが…。