【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「白鳥くんは分かっていないのだよ、ルナは世間知らずなんだ…!レナとは違い生粋の温室育ちで、世の中の怖い事からは私が守ってあげなくちゃいけない…!」
「怖い事も自分で経験しなくては、分からない事ばかりです。 それに案外怖いと思っている事も一歩踏み出してしまえば、何てことなかったなんて思ったりもしますよ」
「そんな物はルナに限っては必要がないんだよッ。
ルナはそんなつらい経験などしなくて良し。
ハッ!まさか…ルナの奴…私の知らない所で恋人でも出来ているのではあるまいな…
あの怪文書もそれが原因では…」
ぎくり。
ルナとは恋人同士なんかではない。そんなのありえないって思っている。
それに怪文書には心当たりはさっぱりないが…彼女に手を出してしまったのは事実。
「白鳥くん、もしも社内で怪しい動きをしている男がいたらすぐに私に報告したまえ…!
ルナに手を出すなど、絶対に許さんぞ…!」
「は、はい!」
俺はこの社長にいつか殺されるかもしれない。