【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「もうジュリエットったら駄目よ。 白鳥さんが困っているでしょう?!」

そのままルナとルナに抱きかかえられたロミオが部屋に入って来る。 ルナの胸の中、ロミオはツーンと顔を背けた。

ああ、この光景にも慣れ過ぎてしまった。

クソ人懐っこい年中発情中の馬鹿でかい雌犬にも、全く可愛げなくこちらを睨みつける手足の短い猫にも

そして目の前に居る、頬を赤く染めてこちらを見つめるお嬢様にも慣れ過ぎてしまった。 その空間に居心地の良さまで感じ始めていたんだ。

「白鳥さん、マドレーヌを焼いたんですけどどうですか…?」

「マドレーヌよりお前を食いたい」

言ってしまった後に後悔をした。 本音がぽろりと零れ落ちてしまうなんて重症だ。

「まあ…!」

持っていたマドレーヌが音もなく床に落ちていく。 真っ赤になったルナは両手で自分の顔を覆う。
そして着ていた上着をそっと脱いで、俺の座っているベッドへと体を伸ばす。 む、胸が……!

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