【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「嬉しい…白鳥さんにそう言って貰えるなんて…」

じりじりと近寄ってくるルナからは、お風呂上がりのシャンプーの匂いがした。 思わず頭がクラクラする。

「ちょ、待て、ストップ。 ここはマズイ。 下にはお前の両親が…」

「じゃあ、家じゃなかったらいいんですの?」

そう言っている間にも、ルナの体がぴたりと密着していく。
理性がブちぎれそうだ。

しかし、ベッドの下ではジュリエットが純真な瞳を向けていて、それとは対称的にロミオは目をつりあげてこちらを睨んでいる。

「おい、ルナ…。ギャラリーもいるし」

「ジュリエットもロミオも内緒ね?」

可愛い顔して、内緒ね?じゃねぇんだよ。 はち切れそうな理性をやっと保って、ルナの体を引き離す。 すると彼女は頬を少しだけ膨らませて上目遣いでこちらを見上げた。

…その顔可愛すぎる。 こいつは絶対に天然の小悪魔だ。

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