【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「じゃあ、キスをして下さい…」
「き、キスぅ?!」
目を瞑り、ジッとベッドの上で正座をし直す。 睫毛が長い。唇だって綺麗なピンク色だ。
どうしてキス位でこんなにドキドキしているんだ。中学生でもあるまいし…。
ルナの髪の毛を指で掻きわけながら、そっとキスを落とすと胸がぎゅっと締め付けられた。
ただキスをした位でそれ以上の事をこんなにしたくなるなんて。 柔らかい唇を離すと、ルナは「へへ」と照れくさそうに笑った。
こんな中学生のような唇に少しだけ触れるキスにここまで動揺してしまうなんて。
「なんか、元気が出ました…!」
お、おう…それは結構な事だ。 しかし俺の別の場所も元気になってしまったのだが。
そんな事は露知らず、ルナはベッドから立ち上がるとロミオを抱きしめた。
そして花のようにふわりと、澱みのない笑顔を揺らす。
「私、仕事を頑張ろうと思っていて」
「あ、ああ…それは良い事だ。 俺もお前の企画は良い物だと思ったし、最近頑張ってるよな…」