【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「ニャーオ、ミャーオ…!」
ダイニングテーブルをぐるりと回り、低く長く大きな声で鳴く。…これは不安や不満がある時の鳴き声だ。
「…なんか、本当に図々しくって申し訳ありません。
お母様とルナさんがそう言ってくれるなら、遠慮なく甘えさせていただきます。
ロミオ、一ヶ月間よろしくな?」
そう言って白鳥さんがロミオに手を差し出すと、「ふみゃ!」と言って猫パンチを喰らわす。
「ロミオ…! 白鳥さん…!申し訳ありません!」
指先を押さえ、白鳥さんは苦笑いをした。
ぷいっとそっぽを向いたロミオは、ジャンプをして再び私の膝の上に乗って来る。
「まるでロミオはルナさんのナイトみたいですね」
「シャー!」
こつんとロミオの頭を軽く小突くと、不機嫌そうに目を伏せてそのまま私の膝の上で横になった。
「あらあら、ロミオったら翔さんにルナを取られるかもしれないってヤキモチを妬いているのかもね。
だって翔さん素敵な方ですもの」