【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「白鳥さんが居てくれるお陰ですわ。
と、いう訳で今週末は調べ物もしたいので、家に引きこもる予定です。
私の事はお気になさらずに白鳥さんも土日は好きな事をして下さいッ。
この間のように白鳥さんを探しに行って困らせたりはしませんから」
それは良い心掛けだ。 しかし何故こんなに寂しくなるものか。
つまりは、今週はルナを抱けない…という事だ。 つーか何を考えてやがる。 思わず自分の頬をビンタする。
もうルナの事は抱かないつもりだった。これ以上面倒な事態になる事は避けたい。 それにあの体にハマるとヤバい。
体どころか心まで持っていかれそうだ。それだけはどうしても避けたい。 社長に殺される。俺だって命は惜しい。
「し、白鳥さん?」
「何でもねぇ…。まあ、あんまり根詰めないようにな。 お前が頑張っている事を、見ている人はきっと見ていてくれる」
「やっぱり、白鳥さん大好き…」
ルナの俺へ向ける笑顔が純真であればあるほど胸が痛んだ。
身辺警護として、金の為にお前の側にいてお前を守る。 それをルナは知らない。 もしもそれが知られてしまったら、彼女はどう思うだろうか。
仕事を頑張っている事に水をさしたくはない。お嬢様が独り立ちをしようと頑張っているところだ。
ぽっかりと空いてしまった休日は、あれ程待ち望んでいた事なのに…どうしてこんなに寂しい気持ちになってしまうのか。