【完】嘘から始まる初恋ウェディング

レナもそんなに怒らないで。 でも白鳥さん、確かに彼女の言う通り俺とレナはなんてゆーか兄弟みたいなもんで…
俺の方が年上なのにしっかり者のレナに頼ってばかりで……色々と相談に乗ってもらってるんだ」

「あら、そんな事ないわ。 私だって北斗には仕事の相談とか沢山乗ってもらっているし」

ほう………。
気の強い女がしおらしくなるなんて、相手の男に好意があるとしか思えん。

つまりは、阿久津北斗はルナが好きだが、レナはこいつが好きなのだな。 全く好きなら好きだと素直に伝えればいいだろうに。

こっちからは気持ちがバレバレで恥ずかしい位だ。 大体阿久津フーズファクトリーと穏便に事を進めたいのならば、婚約者はルナではなくレナでも良いと思うのだが…?

玄関先で三人で話していると、がちゃりと玄関の扉が開いてルナが慌ててこちらへ走って来る。

「ほっくん…!」

俺の姿に気が付いたルナは目を丸くして、俺達を交互に見つめた。

「白鳥さん、帰ってきたんですか?今日は一日お出かけだったんじゃあ」

「まあ、色々と…」

「そんな事より、ほっくん…!こんな物貰えないわ…」

< 241 / 306 >

この作品をシェア

pagetop