【完】嘘から始まる初恋ウェディング

ルナが、阿久津北斗へ突き返した紺色の紙袋は…
は、ハリーウィンストンだ…!

「せっかくレナと選びに行ったんだ、ルナが好きそうなの
受け取ってよ」

さらりとハリーウィンストンを渡せる男の神経が分からない。
有名ジュエリーブランドだ。 高いランクのダイヤモンドしか置いて居ないと評判の。
やっぱりこいつら俺とは世界が違う…。

「というか、私ほっくんとの婚約はお断りしたはずですよね。お父様にも言ったわ…」

「でも俺は納得していないんだけど…?」

「納得も何も…私には好きな人がいますし」

「それって本当?俺との結婚が嫌で言ってるんじゃないの?
大体ルナに好きな人なんて話聞いた事ないし…だって男は苦手だろう?」

お坊ちゃまかと思えば、結構強引らしい。つーか断ってんだから、さっさと諦めろよ。 隣にいる女の視線が痛いぞ…。

阿久津北斗を切なく見つめる眼差しで、彼女の気持ちはバレバレで見ているこちらがいたたまれない。そして、彼を前に困った表情を見せるルナを見つめる視線は…

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