【完】嘘から始まる初恋ウェディング
♡7♡ *SIDEルナ* 誰がための嘘。
♡7♡ *SIDEルナ* 誰がための嘘。
土曜日の昼下がり、家で仕事をしていたら突然ほっくんとレナちゃんがやって来た。
昔から仲良しの二人が休日に出掛ける事はよくあって、社会人になってからはレナちゃんがほっくんに仕事の相談をよくしている事も知っていた。
今回やって来た目的は、ほっくんが私に婚約指輪を贈る事だったらしい。 …婚約の件はあの日レストランでハッキリとお断りした所だったのに。
中身を見て、びっくり。 ぴっかぴかに光り輝くダイヤモンドは、中央に大きくひと粒。そして周りを取り囲むように輪っかの部分にびっちりと敷き詰められていた。
どこからどう見てもエンゲージリング。
こんなの、もらえない。 帰って行ったほっくんとレナちゃんを追いかけると、丁度白鳥さんとお話をしていた所だった。
本日、彼は遊びに行くと家を出て行った。まさか帰って来るとは思わなかった。
「わふッ!」
「おー…ジュリエット。わーったわーった。後で散歩連れて行くから」
パーカーにジーンズとラフな格好。 どんな格好をしても様になってしまうのは、白鳥さんが身長が高くスタイルが良いから。
きょろきょろとリビングを見回して、彼は不思議そうな顔をして振り返った。