【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「真子さんは?」
「え?お母様ならいませんけど…」
「買い物でもいってんのか?」
「いえ、今日からお父様と一緒に箱根の別荘の方に一泊で泊っているのですよ。」
「はぁ?!箱根?!」
物凄い形相をして、白鳥さんが私の肩を掴む。
「え。ええ、丁度紅葉の時期に箱根に行くのは昔からの家族行事なんですの。
私とレナちゃんが大人になってからは両親が二人でいっているのです…
私、言ってませんでしたか? 昨日も夕食の時にお母様が言っていたような気が…」
はぁーと大きなため息を吐いて、白鳥さんはリビングのソファーに突っ伏した。 その上を嬉しそうにジュリエットが覆いかぶさっている。
「それを早く言えよ~…。やっぱり帰ってきて良かったわ…。 お前家に一人じゃん…」
「あら、もう子供じゃありませんもの。一人でお留守番位出来ますわ…」
「つーか…社長もそういう大事な事はきちんと伝えておけよな…。
まあ、色々と問題はクリアしたようにも思えるけどな」