【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「本日はお友達とお出掛けすると言っていませんでした?」

「’お友達’との約束はなくなった。 何だお前、俺が家に居ると迷惑か?」

「いえ、すっごく嬉しいです…! 私は毎日白鳥さんと24時間共に過ごしていても飽きませんので
本当に嬉しいですわ」

その言葉に白鳥さんはぎゅっとジュリエットを抱きしめた。そしてぼそりと「犬臭い」と言う。

随分二人も仲良くなったものだわ。 まあ、ジュリエットは私と同じで初めから白鳥さんにぞっこんでしたが、ソファーでじゃれあっている二人の上を「にゃー」と鳴きながらロミオが上がって行く。

「何だよ、ロミオ。」

「にゃあーん」

初めは白鳥さんを偉く警戒していたロミオさえ、最近は懐いて来た気がする。

この子は決まってお風呂上がり私が白鳥さんに会いに行こうとすると、我先にと彼の部屋まで駆けていって爪を立てるのが日課になっていた。とても頭の良い猫だ。

ジュリエットとロミオ。そして白鳥さんが居る風景は私にとっては幸せの象徴だった。

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