【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「白鳥さん、今日は何か食べたい物がありますか? 私が作ります!」

「別に何でもいーよー。デリバリーしても構わないし」

「作ります!白鳥さんにお作りしたいし。 私、買い物に行ってまいりますわ」

「なら俺も行く。」

「あら、ゆっくりしててくださって構わないのに」

「うるせ。行く」

言葉は素っ気なかったけれど、とても嬉しかった。
両親のいない家で、まるで新婚さんみたい。

何故か白鳥さんはいつもより不機嫌なままだったけれど、その日はスーパーに買い物に行って、一緒にジュリエットのお散歩にまで行って

お仕事のお手伝いまでしてもらい、夢のような休日が過ごせた。 …幸せだわ。結婚したらこんな感じなのかしら。 私ったらお付き合いもしていないのに結婚の事を考えてしまうなんて。

けれども白鳥さんと共に過ごせば、未来の幸せな形ばかり想像してしまう。

< 251 / 306 >

この作品をシェア

pagetop