【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「そっかあ?お前別に何も出来ない女じゃないじゃん。 自分で出来る事はしようとしてるし、俺はお前が何も出来ない女とは思わないけど。
それどころか、不器用なくせにそこまで頑張れるパワーって逆にすげーと思うけど」
白鳥さんの不意に放つ優しい言葉には、胸がぎゅっと締め付けられる。
「ふふ。白鳥さんはお優しい方ですね。 昔から何でも出来る姉とは比べられてきました。
レナちゃんは小さい頃から勉強も出来て、スポーツも万能で陸上でインターハイにも出た事があるんです。
私にとっては自慢の姉です。 でも妹がこんなんじゃあ、嫌われちゃっても仕方がないですよね」
「お前は…レナの事がすごく好きなんだな」
「勿論です。 だって小さい時からずっと一緒の姉ですもの。 姉が家を出て行った時は寂しくって、お父様が心配してくれてロミオとジュリエットを飼ってくれたんです。
妹や弟が出来たみたいで嬉しかったですけど、やっぱり姉は特別です」
「俺はお前の素直な所、すごく好きだけどね」