【完】嘘から始まる初恋ウェディング

実は随分昔から何となくレナちゃんがほっくんを好きなのには気が付いていた。 それを決して口にはしなかったから、知らない振りをしていた。

そのレナちゃんは何故か私とほっくんの結婚の協力をする形になってしまっているけれど、それさえもほっくんを想う恋心からなのだと、恋をした私は気が付いてしまった。

ソファーに座り直した白鳥さんは「ふぅん」と無表情のままソファーの下でお座りをしているロミオの頭を撫でる。

そして指を動かして、「来い」と呼ぶ。 私を呼んだかと思えば、ジュリエットが嬉しそうにタタッと先に走り出し白鳥さんの膝の上に足を置く。

「お前を呼んだんじゃねぇよ、馬鹿犬がッ!」

「はふッはふッ」

「あー、顔を舐めるな! ジュリエット、お座り。
ついでにルナもお座り!」

ふふっと思わず笑みが零れる。なんて平和な時間かしら。

ジュリエットと並び合うようにソファに寝転ぶ白鳥さんの前に座ると、彼は怪訝そうな顔をして腕を引っ張る。

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