【完】嘘から始まる初恋ウェディング

ベッドが軋む音が大きくなると同時に、腰の動きが速くなる。 女の声が大きくなっていく。
好きだと言った言葉に嘘はなかった。

お前の体が好き。 細いのに胸がデカい所とか、きちんと手入れが行き届いている柔らかい肌も。

お前の顔も好き。 長い睫毛の下にある泣きぼくろは色っぽいし、快感に身をよじらせだらしなく垂れ下がる口元もセクシーだ。


絶頂に達してへたりと女の上に雪崩れ込むと、ぎゅっと背中に手を回して「翔大好き…」と女は甘えた声を出す。

欲望を吐き出してしまえば、サーっと熱が引いていくように冷静になる。  軽薄で性悪な女は嫌いじゃない。 さっきまでこの女を抱いていて、好きだと思ったのも嘘ではない。

でも自分の欲求が満たされた瞬間、さっきまでの熱は冷めていく。


最低な男だとは自覚している。 さっとベッドから起き上がり、床に転がった下着を身に着ける。

ベッドの上で生まれたまんまの姿で女は唇を少しだけ尖らせて、拗ねた素振りをこちらへ投げかける。

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