【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「もう、冷たいのッ!」
この女の名は、逢澤 実悠という。 都内の美容サロンに勤める、どこからどう見てもイイ女だ。
美人系の綺麗な顔はいっつもメイクがばっちりと決められていて、スタイルだって良い。 しかもエロくて、最高に男好きする女だ。
そして実悠はとても都合の良いセフレだ。 恋愛関係はない。 さっぱりとしている性格の実悠の事だ、面倒くさい事も言わずに彼女面もせずに、互いに気持ちよくなりたい時に利用し合っている。
自分にとっては、最高の女だ。
「ごめんごめんって。
たくッ、休日だっつーのに親父め、何の用事だ。」
煙草を咥え、先ほど床に投げ出した携帯を手に取る。
ワンコールも鳴り終えない間に、クソジジイは電話に出た。
やかましい位大きな声だ。 いつか鼓膜を破る気に違いない。
「おい!翔!電話には直ぐ出ろや!」
思わず電話を耳から離す。