【完】嘘から始まる初恋ウェディング
警備会社?身辺警護?一体何の話? 白鳥さんはイギリスのノエルという会社からやって来た。 そして父の秘書として。
「だからルナちゃんは騙されているって言っているの。 ルナちゃんのお父さんに破格の値段で警護を頼まれたって言ってた。
つまりお金の為にあなたと一緒にいるという事。翔はあなたの事なんか全然好きじゃない。お金の事しか考えていない。
お金であなたを守るために仕方がなくあなたのご機嫌伺いをしなきゃいけなかったってこと」
「そんなの…嘘よ…」
「嘘じゃないわ。 私は翔本人から聞いたもの。
世間知らずのお嬢様の相手をしてるのは疲れるって言ってた。
でもその仕事ももうすぐ終わるって。 そうなったら翔はあなたとは一緒には居てくれないわ…」
私は、白鳥さんの事を何も知らない。
ただただ善意で側に居てくれて、本当に好きになってくれて、恋人同士になれていたと浮かれていた。
でももしも実悠さんの言っている事が本当だとしたら…? 白鳥さんが私を騙していたなんて信じられない。信じたくない、けれど…。
ランチの約束も忘れて、会社に戻って行った。 お昼の休憩で人が出払ったオフィス内で、白鳥さんとレナちゃんが向き合って立っていた。