【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「うるせぇ! こっちにも事情つーもんがあんだよ…!
大体今日は日曜日だぞ?!」

「うるせぇのはお前の方だ!このドラ息子がッ!
今すぐ会社の事務所に来いッ」

怒鳴られてがちゃりと電話は一方的に切られた…。絶対いつか毒を盛ってやる。

「翔、仕事?」

「あー…何か親父が今すぐ事務所に来いって…。 嫌な予感がする…」

実悠は裸のままベッドから飛び降りて、そのまま抱きついたかと思えば深いキスを落とす。

「また時間が空いたら連絡してよッ。 私はもう少しゆっくりしてくよ」

「ああ、バタバタしちまってごめんな。 これホテル代」

テーブルの上にホテル代を置いて、床に散らばった衣類を着て颯爽と部屋を出る。

実悠はぶうぶう文句を言わない所が良い。 一回ヤッた位で彼女面をする女は最低だ。 必要以上に過度な期待を男にする面倒くさい女は勘弁なんだ。

だからセフレというのは、やめられない、とまらない。

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