【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「ロミオ…遅ぇよ、懐くの」

「にゃーおん」

遅い事はあるのだろうか。
真子さん達に見送られて直ぐに、家の裏手に回り込む。そこからは丁度ルナの部屋の窓が見える。

地面の小石を掴んで、ルナの部屋の窓に数回投げる。 カーテンまで閉め切った部屋の窓が、ゆっくりと開いていく。

そこには泣きはらして目を赤くさせたルナがこちらを見下ろしていた。


これじゃあまるで、どっかのお嬢さんが好きなロミオとジュリエットそのままではないか。
ああ、どうして君がこんなに愛しいのだろうか。

目を腫らすほど俺の事が好きなくせに、どうしてそこまで意地をはる必要がある。

せめて…話くらいさせて欲しい。 最低な事をしてしまった謝罪ならば、何度でも頭を下げるから。

「…なんですの?」

「…話くらい聞けよッ」

「あなたと話す事などありません…!」

「本当に阿久津北斗と結婚するのかよ?!
お前それで本当にいいのか?!」

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