【完】嘘から始まる初恋ウェディング
窓枠に手をかけて、ルナは大きな瞳を揺らした。 まるで今にも泣きだしそうだった。
そんなになるくらい俺の事が好きなくせに、どうして別の男と結婚するっていうんだ。
そう思う自分は必死過ぎて、この壁をよじ登ってでも彼女を抱きしめたかった。 強く抱きしめたら壊れそうな砂糖菓子みたいな女を、確かに欲していた。
「白鳥さんには関係ないですわ…。ずっと私の事を騙していたんでしょう?嘘つきは嫌い!」
「確かに俺は嘘をついていたけれど、全部が全部嘘だったわけじゃねぇ!
…こんなにも、守りたいと思った女はお前が初めてだった!」
「私を守ってくれたのは、お父様に頼まれたからでしょう? 全部お金の為だったんでしょ?」
「違ぇよ!
それだけの為だったらお前みたいな面倒臭い女と一緒に暮らしたいなんて言わない。
この一ヵ月が過ぎても、一緒に居たいなんて思わない!
確かに最初お前に近づいたのは、社長に頼まれたからだ。
でも今は違う。俺はお前と一緒に居たい…」