【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「…もう、白鳥さんの言葉は信じられない!
私のように面倒臭い女と縁が切れて良かったじゃないですか……
白鳥さんは白鳥さんの人生を歩んで行って下さい…!」
ぴしゃりと閉められた窓からは、もうルナの顔は見えなかった。
こんな風に女に必死になった事は初めてだった。 けれどもう全て終わり。
もうルナは俺には笑ってくれない。 振られちまったのか、俺。 何をらしくない。落ち込んでんだ。
きっとすぐに忘れる。 そうやって人に興味を待たずに生きて来たのだから、こんなの離れてしまえばすぐに消えてしまう気持ちだと思っていたのに。
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「おいおいおいおい、休日に何やってんだ、お前」
「シーッ。お父さん。お兄ちゃんは失恋しちゃったんだよぉ。
可哀想だねぇ」
「失恋?!翔がッ?!
あっはっはっはっはっ。そりゃ可笑しいなあ。腹がよじれる程笑える。
おいおい翔、失恋の一つや二つでそんなに落ち込むな。 良い風俗紹介してやる。
この店のなあ、ミキちゃんがエロくってたまらんのよ」