【完】嘘から始まる初恋ウェディング
白鳥 翔 28歳。
この年齢になっても、結婚願望は全くない。女とも真剣に付き合うつもりはない。
現在俺は、先ほどの電話相手で父親でもある 白鳥 尊 の会社で働いている。
親父は、株式会社SIRATORIセキュリティーという警備会社を経営している。 とはいえ、大きな警備会社ではない。
従業員は派遣社員を含め10人程度。 小さな警備会社は基本地元の土建屋とずぶずぶの関係であり、工事などの警備の仕事を貰っている。
SIRATORIセキュリティーもそんな会社だ。
大学を卒業してから、ずっと親父の下で働いている。
警備の仕事は大きく分けて四つに分類される。
施設警備業務。
交通雑踏警備業務。
現金輸送。
身辺警護。
俺は親父の会社で働く傍ら、三年目で警備員指導教育責任者という資格を取った。
一応国家資格で、中々難しい資格でもある。 警備会社には、一人は大抵居る。他にもセキュリティープランナー等警備会社に必要な資格は幾つか持ってはいる。 役に立っているのかは、謎だが。
警備に関する資格は実務経験が必要になる。
そして現在の俺の仕事は、上に上げた四つの警備業務を指導するものだ。