【完】嘘から始まる初恋ウェディング

白鳥さんと出会って、知らない世界を教えて貰えた。
一緒に食べた美味しかったご飯、お酒。 恋をする気持ち。
口が悪くても、本当は優しかった所。

たった一ヵ月の出来事だった。 でもこの一ヵ月ドキドキしたりきゅんきゅんして、傷ついた時もあって

色々な感情を教えてくれた。 無色で透明だった私の世界に、カラフルな色を付けてくれたのは彼だった。

「あの…私」

「どうした?ルナ」

「私…やっぱり…」

ロミオとジュリエットは、結局すれ違い結ばれない。 あの甘く切ないストーリーが大好きだった。
ジュリエットの気持ちを想えば、身の詰まる想い。

例え結ばれないストーリーでもその運命に立ち向かおうとしたから、美しいのだ。

私は、何も立ち向かおうとしていない。今も流されて、楽な道を選ぼうとしている。 誰かにお膳立てされたストーリーの中で生きて行こうとしていた。

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