【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「どうした?ルナ、顔色が余り冴えないけれど」
「ルナちゃん、具合いでも悪いのかな? 」
「いえ、そんな事はないですけど…」
「ならば良いけれど、そうだ桜栄さん。 気が早い話ではありますが、結婚式は西城グループで盛大に挙げようと思っているのです。
西城さんとは昔らからの知り合いでして」
「おお、それはいいですねぇ。このホテルも西城グループのものですからねぇ。素敵なホテルですよねぇ。」
「お父さんも、桜栄社長も気が早いなあ。 それに僕は結婚式はルナが主役だと思っているから、二人で決めたいよ。
な?ルナ?」
「あの、私!」
椅子を引いて立ち上がると、皆の視線が一斉に私へと集中する。
個室のレストラン内はシンと静まり返り、ほっくんの方を向き直りその場で深く頭を下げる。
「ルナ?!どうした?」
「ほっくん、ごめんなさい。 ほっくんのご両親も、お父様とお母様もごめんなさい…!
私やっぱり結婚は出来ない!」