【完】嘘から始まる初恋ウェディング

会社に入社して数ヵ月、お手洗いに入っていると数名の女子社員が来て、彼女達の話を偶然聞いてしまう事になる。

「つーか、桜栄妹マジで何も出来ないよね」

「うん。桜栄姉とは大違い。 同じ境遇で育ってきて、ああも違うものなのかねぇ」

ここでの桜栄妹は私の事で、桜栄姉はレナちゃんの事だ。
その場で座り込んだまま息を殺してその話に聞き耳を立てる。

「社長もいくら娘が可愛いからって言ってもあれじゃあちょっと困るよねぇ」

「社長の手前部長達も強く言えなくって困ってるもんね。
ほんっと、人生イージーモードで羨ましいわあー」

「マジであんなんチートだよね。あ~あ~…私も社長令嬢だったら良かったのに。」

「羨ましいよねぇ。 でも桜栄妹男性社員にはすっごく人気あるらしいよ。
顔と身体しか取り柄はないけど、綺麗でスタイルも良いもんね~」

「そのうち良い所の坊ちゃまと結婚して寿退社するんじゃないの~?
いいよねぇ、迷惑かけても誰にも怒られなくって、将来だって約束されてるんだから」

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