【完】嘘から始まる初恋ウェディング
昨日も私のお部屋にやって来て、ジュリエットと遊んでくれて、私の話にもにこにこと相槌を打ってくれた。
ただ…ロミオだけは、何故か白鳥さんを敵対視したままだった。 猫も大好きなのになぁ、と白鳥さんは少しだけ悲しい顔をしていた。
元々人に懐かない猫で、警戒心の強い子だった。 明らかに不服そうに白鳥さんに向かって唸るロミオにも、いいんですよと彼は穏やかに笑った。
…本当に理想の人だわ。こんな漫画から抜け出してきたみたいな王子様が、この世にいるなんて…。
「んん。昨日の夕食もとても美味しかったけれど、朝食も美味しい。
これはお昼が楽しみです。」
「あらあ、オホホ。翔さんったら口がおじょうずなんだから」
「いえいえ、長らく海外で生活をしていたので、家庭の味には飢えていましたので。
う~ん、味噌汁最高だなあ…」
「うふふ。料理は趣味でもあるんですの。 でもルナもお菓子作りが上手なのよ。 ねぇ?ルナ」
「ええ、趣味でお菓子作りをするんです。 とは言っても素人なので…。
白鳥さんは甘い物がお好きですか?」