【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「レナちゃん、おはようございます。」」

「ルナ、血が出ちゃってるじゃないの~…。 もぉドジだなあ、絆創膏あったかな~?」

勝気だけど、実はとても優しい姉。 小さい頃から、私に何でも譲ってくれるような人だった。
そして私は大人になった今でもこの姉に甘え、守られながら生きているのだ。

「大丈夫。この位、すぐに血は止まるわ」

「これ、棘が刺さっちゃってるんじゃないの?」

「ほ、本当に大丈夫。放っておけば治るわ…」

そんな会話をレナちゃんとしていると、給湯室に白鳥さんがやって来る。
私と姉を交互に見やり、姉に向かってにこりと微笑みを落とす。

「おはようございます。
ルナさん、一通り掃除は終わりました。 お茶の用意僕も手伝いますよ」

「それは大丈夫ですわ。まだ時間がありますので。
白鳥さんに手伝ってもらっていつもより早く終わりました。 本当にありがとうございます!」

その会話を聞いたレナちゃんは、白鳥さんを見つめて少しだけ不機嫌そうな表情に変わる。

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