【完】嘘から始まる初恋ウェディング
ぺこりと頭を下げ私と姉へ爽やかな笑みを落とすと、颯爽と給湯室を後にした。
残されたレナちゃんは彼の背中を視線で追って、こちらを向いた顔はやけに冴えなかった。
「ちょっと…何よアレ…。 あいつ昨日ノエルからうちの会社に来て、お父さんの秘書になった白鳥翔よね…。
企画部の仕事も手伝うって言ってたけれど…
あんた狙われてるんじゃないの?!気をつけなさいよ?!ルナは、ボーっとしてるんだから、ああいう男につけこまれやすそう…」
そう言って私の肩を掴むレナちゃんは、ちょっぴり怖い顔をする。
「ルナちゃん…誤解です!白鳥さんはそんな人ではありません…!」
「だって、なんかあいつ信用出来ないのよね。 女性社員たちはキャーキャー騒いでいたけど、絶対遊んでそうじゃん…。」
「誤解です…。白鳥さんはとても真面目で優しくって、紳士的な方なんです…。
その証拠にジュリエットも白鳥さんにとても懐いていて…」
ロミオは…全く懐かなかったけど。