【完】嘘から始まる初恋ウェディング

午後になり、上司から簡単なアンケートのまとめを頼まれた。
間違いがないようにゆっくりと丁寧にパソコンに向き合いながら、表を作成していく。

多分、私でなかったらニ時間は早く終わる仕事なのだと思う。上司だって私の能力を分かっていて、出来る限り簡単な仕事を頼んでいるはずだ。

けれども就業時間までにその仕事は終わらなかった。

「ルナ、手伝おうっか?」

そういった時は必ずレナちゃんが助け舟を出してくれる。 そして今までどこまでも優しい姉に頼りっぱなしだったのだ。

心配そうにパソコン画面を覗き込むレナちゃんに、にこりと笑顔を作る。

「大丈夫。一人でやれるわ。
レナちゃん最近ずっと残業続きだったでしょう? 帰れる時は早く帰って?」

「そう?それならいいけどあんまり遅くならないようにね。
お母さん心配しちゃから」

「分かってる。大丈夫」

いつまでも誰かに頼りっぱなしの、情けない女でいるのは嫌だった。
今日一日白鳥さんの働きぶりを見て、自然とそう思えたのだ。

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