【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「白鳥さん…!」
「さっき覗いたらルナさんこっちには気が付かない位真剣な顔をしていたので、声を掛けるのは止めておきました。」
「そうだったんですね。 私ったら仕事が遅いから…。
いっつも姉のレナちゃんや周りに助けられてばかりだったんです…。
でもそれじゃあ、迷惑ばかりかけちゃうから…」
白鳥さんは私の隣のディスクに腰をおろし、手に持っていた袋を渡してきた。
袋の中からは良い匂いが漂ってきて、思わず小さくお腹が鳴ってしまう。 恥ずかしくって、顔を伏せていると白鳥さんは口を大きく開けて笑う。
白鳥さんに会ってから、体がやっぱりおかしいわ…。 彼の笑顔を見るだけで心臓が尋常じゃない速さで鼓動を刻んだり、体中が熱っぽくなったり。
「お腹減ってるでしょう? 一緒にこれ食べましょう。」
「これは…まさか…私の為に?」