【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「僕も先程まで社長の仕事を手伝っていたんです。 もう帰ったかな?って一応企画部を覗きに来たらまだルナさんが頑張っているようだったから。
冷めちゃいますよ。 ひとまず食べましょう。 
ああ、もう少しで終わるじゃないですか。 食べ終わったら僕も手伝いますから、ちゃっちゃと終わらせてしまいましょう!」

ドキドキして、体いっぱいに熱が集まった後は、何故か泣きそうになった。

白鳥さん…。自分の仕事は終わっているのに、わざわざお食事を買って、戻って来てくれたんだわ。

そんな事は口にしなくっても、あなたの優しさは伝わってしまうものよ。 どうしてそんなに私を気にかけてくれるの――?

―――――

「ねぇ、白鳥さん…これはどうやって食べるんですの?」

「え?!マック食べたことない?!」

茶色い袋には赤いマークでMと書いてあった。

中からは、これは…ハンバーガーよね? でもハワイで食べたハンバーガーは、お皿に乗っていてナイフとフォークもついていたはずだわ。

マックを食べたことがないと言うと、白鳥さんは驚きの表情を上げていた。

知っている。知っているわ…。この赤いMのマークは街の至る所で見た事があった。 どういうお店かは知らなかったけれど。

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