【完】嘘から始まる初恋ウェディング
正直に食べた事がないと言ったら、白鳥さんは紙に包んだハンバーガを半分出してそのままかぶりついた。
とっても幸せそうな顔をして笑う。 真似をして大きな口を開けてかぶりついてみたら、今までに味わった事のない不思議な味がする。
「おい…しい…」
「美味しいですよね。 ん~、夜に食べるマックは最高。
ルナさんポテトも食べてよ。揚げたての方が美味しいから」
ハンバーガーもポテトも、とても美味しかった。 マックさん…すごく良い仕事をするわ。今まで食べてこなかったなんて、人生を損していた。
「本当に美味しい~ッ」
思わず幸せな気持ちになって、笑顔が零れ落ちる。 その姿を見て、白鳥さんは声を殺して笑っていた。
「ルナさん、ほっぺたにソースがついてます」
そう言って、ナフキンで優しく私の頬を拭ってくれた。
やっぱり白鳥さんは不思議な人です。 私の知らなかった世界を見せてくれるような。
もしかしたらあなたに出会わなければ、私はマックさんをこんなに美味しい食べ物だと知らずに生きて行ったのかもしれません。