【完】嘘から始まる初恋ウェディング
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「え~、本日から社長の秘書をつとめる事になった、白鳥 翔くんだ。
本人の強い希望でこの企画部の仕事も手伝ってくれる事になりました。
えっと、白鳥くんは先月までイギリスの食品企業のノエルの本社にいたそうで――」
まさか、と思った。
午後から出社してきて、部長が社内で紹介をしたのは今朝私を車の水はねから守ってくれて、傘を貸してくれた男性だったから。
秘書を置く事を昔から嫌っていた父が、一体彼とどういう繋がりがあったかも疑問が残るが。
「ちょっと、ノエルって大企業じゃない?」
「だよね。しかも社長の秘書で、企画部にもこれからちょくちょく顔出してくれるって事でしょう?」
「きっとすっごく仕事の出来る人なのよ。それに超かっこいい…!」
女子社員のひそひそ話が聴こえ、そして彼女達の視線が一気に彼へとくぎ付けになっていく。
「初めまして、白鳥翔と申します。
分からない事だらけで皆さんに迷惑をかけてしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。」