【完】嘘から始まる初恋ウェディング

隣をゆっくりと歩く白鳥さんはこちらに顔を向け、小首を傾げる。 彼の屈託のない笑顔が満月に照らされて、ふんわりと淡く優しい顔になっていく。

…やっぱり不思議な人です。 私はあなたと出会ってから、どうかしてしまったとしか思えません。

あなたが佇むその場所だけ、特別に明るく見えてしまうなんて…。 余りにも眩しすぎて、胸が高鳴ってほっぺたが熱くなっていく。

「マックのような美味しい食べ物がこの世界にはきっともっと沢山あるのよね。
私は勇気がなくって、自分の世界の殻を破れないタイプなんですの。
だから……知らない世界をもっと沢山見て見たいわ」

私の発言に白鳥さんは目を丸くして、不思議そうな顔をして再び首を傾げる。
そしてその後に大笑いした。

「アハハ、ルナさんは面白い人だなあ~…。
僕の行きつけで良ければ、今度一緒に行きましょう。 …ルナさんが喜んでくれるとは到底思えませんが」

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